ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

2021年4月のブログ記事

  • ママチャリで病院まで行きます

    2021.04.30 前回、4/23の担当医との面会で、妻を交えて話したのは、あと6週間ほど足の塗り薬、点滴治療を施して、5月いっぱいで退院の予定だった。 それが一昨日の妻の話で「退院が早まるかも」になった。 その時に、「先生が今月で移動されるみたい、ご挨拶して」の情報もあり、今日は4月の平日の最... 続きをみる

  • 自分の余生を視つめるしかない

    2021.04.29 自分は母親の32歳のときの子で、母が102歳で亡くなったとき70歳になっていた。 郷里に帰り、病院で看取ったのだが、深夜に電話で起こされて、いよいよと覚悟を決めて病院に向かった。 兄弟姉妹6人の下から二番目、やっと生まれたただ一人の男の子だった。 老齢の姉たちに連絡するまでも... 続きをみる

  • 軽チャーに負けぬ、震度5の面白さ

    2021.04.28 「昨今のシンデレラは靴を落とさない」 ブログ村のマイページを開くと、コミックシーモアの宣伝がトップに載っており、アニメ画とともにそのタイトル↑ が目に飛び込んできた。 なにげに惹かれて追っていくと、 《舞踏会の最中、婚約破棄を言い渡されたフレデリカ・キャストレイ子爵令嬢。颯爽... 続きをみる

  • 「蜜柑」

    2021.04.27 両手いっぱいのやることが有りすぎて、夢の中まで侵入して来られて、混乱している。 妻の居ない環境になってみれば、久しぶりに自省の時間が生まれて、「こうしてはいられない」のに、「ではどうしたらいいのか」が見つからないで、うだうだ茹でられたタコ状態になっている。 そんなところに妻か... 続きをみる

  • シタン、コクタン、タガヤサン、

    2021.04.26 昨日の続きで、あれやこれやの大整理をしています。 Yahooオークション参加のための準備、これは売り手と買い手の価値観の戦いですから、血沸き肉躍る、楽しみがあります。 昔、中型トラック一杯の輸入家具を骨董市に持ち込んで、販売したことがあります。 シタン、コクタン、タガヤサン、... 続きをみる

  • 善悪彼此を吞み込んだようなもの

    2021.04.25 昭和20年(1945)は酉年で、何でも突いていく、と子供時分から言われた。 鶏の地面をせわしなく突く様を見て、そのように形容したものだろう。 他の者はいざしらず、まことに自分はその性格をよく体現している。 熱しやすく冷めやすい、飽きっぽくて次に立ち向かう、一か所に立ち止まるの... 続きをみる

  • わしらに死ねとおっしゃるんでござんすかい!

    2021.04.24 なんとなく空虚感に苛まれているようで、本日「都之隠士の介護日誌」は開店休業します。 対象物がない、梯子を外されたみたいで、こうやってみると妻という存在は大きなものであったと気づかされる。 しかし、根が楽観的な性格であるので、すぐにこの程度の憂鬱は霧消して行きます。 根気が続か... 続きをみる

  • 自分にも、他人にも、応援したい

    2021.04.23 当初は、2週間の点滴入院のつもりであった。 それが、しばらく妻は家に帰って来ないとなると、とたんに時間を持て余す。 植えたばかりの、プランターのよちよち野菜の水やり、花壇や鉢植えの今を盛りの草花を愛でて時間つぶしをするのにも、限度がある。 構想段階の歴史小説も、独自の視点・思... 続きをみる

  • 妻は強い精神力を持っている

    2021.04.22 水曜日(4/21)午後3時、 病室内に案内され、妻の耳目の前で、医師2名、看護師3名と面談した。 足指の褥瘡、右脛の黒ずみを確認し、担当医の説明で あと6週間治療すれば、足の細菌から撃退できます。骨に細菌が届いているかも検査しなければなりません。左足に金属(人工関節)が入って... 続きをみる

  • 老徹の我慢の無さ

    2021.04.21 家を出ようかと思っているところに病院から電話があった。 「明日水曜日の午後に医師から説明がありますが、ご主人のご都合はいかがでしょうか」 「ああ、そうですか。今日、伺おうと思っていたのですが、今日は先生の都合が悪いのですか」 「今日は担当医師が不在です」 「そうですか。では水... 続きをみる

  • 歳月は無残なり

    2021.04.20 過去に幾度が入院した時とは異なる今回の隔離生活に、妻の糸が切れた。 多くの機器につながれ、手足の拘束状態であった、ICU室の緊急入院のときでさえ、そばで顔を見ながら声をかけることができた。 声掛けに応答はないが、目は物を言う、のは分かる。 それがこの度のコロナのせいで、そのよ... 続きをみる

  • 奇怪な老人に成りきって

    2021.04.19 病院に、来るべき退院の時のための携帯酸素ボンベを持って行き、駅から歩いて帰るときに、「タネ屋」の店先に野菜の苗木が出ていたのを見つけて、各種求めた。 行きはヨイヨイ、帰りはコワイ、の逆でちょうど手が空いていた。 トマト桃太郎、ナス、キュウリ、ミニトマトの4種類を各二本ずつ。 ... 続きをみる

  • カモメのジョナサン

    2021.04.18 カモメに襲われる夢を見た。 妻を車いすに乗せて、ホームの海の見える丘に立って、眺望を楽しんでいると、カモメが飛んでやって来た。 話せるわけではないが、何か話している風でもある。 一羽二羽のときは、海辺の風景でほほえましいが、大群がやってくると、ヒッチコックの『鳥』のようになる... 続きをみる

  • ミイラのような足になっていく

    ↑最近この方の記事を楽しく読ませてもらっている。このお方は達人。著名な人との交流がある方なのかも知れない。 2021.04.17 妻が電話をかけてきて、 「転ばないようにして下さいね、と先生に言われたわ」 「そりゃあ、転んだら骨が折れる。もう脆くなっている年齢だよ」 「そうではなくて、転んだらお終... 続きをみる

  • アニハカランヤ、こんな言葉は

    一度投稿した後に ↑この記事を見て感動したのでリブログ、再投稿します。 2021.04.16 夜半に一度目覚め、一旦、起き上がったが何する気にもならず、すぐに布団に戻った。 次に目覚めたら、カーテン越しに外が明るくなっている。 いつも暗いうちから起きているので、夜明けとともに目覚めるのは珍しいこと... 続きをみる

  • 悲しみのない人生など、あるはずもない

    2021.04.15 MURAGONを知って、多くの方が投稿しているブログを読むことが楽しみの一つになっています。その中から自分の知らない世界を発見して、ああ、人はこうやって生きているのだなと、日本人一億人、世界数十億人のそれぞれの悩みや楽しみや悲しみがあるなと感嘆しています。 その中から、時々刻... 続きをみる

  • 病院内のガラスに映っていた、自分の顔

    2021.04.14 妻の、普段使っていた化粧品や看護用品を抱えて、バス・電車・バスに揺られて病院に行った。 意外とかさばる荷物になったので、JR駅まで徒歩で行くのも大変で、バスに乗った。 タクシーを呼んで乗るほどの気持ちはない。 横浜線が遅れていて、大学病院行のバスにやっと間に合った。 担当医師... 続きをみる

  • どちらからともなく笑いを誘う

    2021.04.13 老者が、家の中から消えた者を追い求めると、どうしても昔の若かりし頃の追憶になってしまう。 そしてそれは、大抵、いい気なものだ。 傍から見られたものではない。 あれは時の流れが、面の皮を厚くして、羞恥心を覆ってくれるからだろう。 旅行に出かけて、姿が見えなくなったのではない。 ... 続きをみる

  • 夢の中へ、行ってみたいと思いませんか

    2021.04.12 夢を見た。 陽水の、♪夢の中へ 夢の中へ 行ってみたいと思いませんか ははん 行ってみたいと思うまでもなく、向こうからやって来た。 やって来たのは、男と女。 男は同年代のようだから、たぶん自分で、若返りようがない。 女は誰だろう、妻なのか、そばに居ないから若返ることができる。... 続きをみる

  • 幕が下りたわけではない

    2021.04.11 妻の姿が家から消えて、介護にかかずる時間が無くなったというのに、それが何か不足のように感じられる。 介護する者の、喜怒哀楽を取り上げられた、そんな気持がどこかにあるのだろう。 キャンバスに描いていた景色が、暗転して、一瞬間目眩ましにあったようなものだ。 しかし、幕が下りたわけ... 続きをみる

  • この日は数行読んだだけで、眠くなった。

    2021.04.10 昨日は病棟担当医師から、今後の治療方針の説明を受けた。 さすがに病棟内に入る許可が下りて、面談室での対面だった。 妻が電話口で叫んだように、結論から言うと、足を落とす、ことになるかもしれない。 三本の動脈のうち二本が詰まっていて、このままだと壊死になる。 下肢動脈超音波検査報... 続きをみる

  • もう一つの足も切られる、イヤだあ!

    2021.04.09 病室内の様子がわからないので、今までの入院とは違う切迫した雰囲気を感じる。 全面ガラスの出入口の向こうに見える看護詰所にも、直接声を掛けられないのでどこかよそよそしい。 ボタンを押して、面会者に気づいてくれた詰所の者に名前を名乗り、ドアが開けられて、看護士が出て来る。 ケイタ... 続きをみる

  • そして、妻が居なくなった!

    2021.04.08 朝一番に、点滴を外しに看護士がやって来て、着替えを済ませて介護タクシーを呼び、予約なし診療で大学病院に向かった。 在宅クリニックの医師の紹介状が効いたのか、受付を済ませて3階の皮膚科に行くと、すでにボードに番号が掲示されている。 そこから、血液検査、エコー検査に回されて、再度... 続きをみる

  • 夕方になって点滴が始まった。

    2021.04.07 昨日火曜日は大変な一日になった。 「吐き気がするかもしれません」 訪問クリニックの医師からの注意は、重々、受け留めていた。 夕食後に他の薬と一緒に服用し、就寝前にも一錠飲ませた。 トラマールOD錠25mg、すごいやつだ。 いつもは朝7時には物音で目覚めるのだが、8時を過ぎても... 続きをみる

  • トラマールOD錠25mg

    2021.04.06 昨日は月2回の在宅クリニックの訪問診療日で、少しもよくならない足の状態を診て、妻の訴えに強力な鎮痛剤の処方と、今週金曜日の通院大学病院担当医師宛てに再度の紹介状を書くことで決着がついた。 「吐き気が出るかもしれません」 「痛い、と言うのがなくなれば、その方がいいです」 親指と... 続きをみる

  • 夜来の雨やみ、終日曇天、

    2021.04.05 頭の中が、瞬間湯沸かし器状態になることがある。 そこまで冷静であったものが、或る事件や或る言葉に出遭った瞬間に脳天にカッと血が上ってしまい、そこら中に渦巻や対流を起こして、それを抑えようとして身体がわなわなと震えて行く。 鎮まって振り返れば、なんでそんなことに我を失ってしまっ... 続きをみる

  • 自然体の、頑強な老婆の貌

    2021.04.04 妻を見ていて、感じることがある。 肉体の老化は仕方がない。 これは、生きとし生ける物、だれにも平等にやって来る。 誰もそれから逃れることはできない。 善行を積んだので、あなたは老化を免除します、という大岡裁きはない。 悪行を重ねたので、あなたは老化を早めます、という閻魔裁きも... 続きをみる

  • ひばり放送に紹介される

    2021.04.03 相も変わらぬ24時間が過ぎて、思い起こせば起床から就寝まで、我が事のように分かる。 普通なら、同じ家に住んでいる夫婦と云えども、その一挙手一投足が相方に丸見えと云うことはない。 部屋を離れれば、もう相方の動きは見えないのだから、視界から消えて、それぞれの持ち時間を気ままに過ご... 続きをみる

  • 「死にたい」は「生きたい」の同義語

    2021.04.02 車いすに背凭れして、よく寝ている姿を、最近見かける。 テレビの音量を外に聞こえるほど大にしているのに、見ているうちに眠気に襲われたのか、まったくそっくり返って大口を開けて寝ている。 若い頃なら、100年の恋も一瞬に吹っ飛ぶ、寝顔だが、そう想う間もなく、こちらの思惑に気づくはず... 続きをみる

  • フールフーラーフーリッシュ!

    2021.04.01 ここ1週間の天候は、並はずれて陽気が勝っている。 見渡して、こんなに花の咲くものかと、頭が浮かれてしまった。 それまでにも、妻を煙に巻いて楽しむ、悪趣味がなかったわけではない。 たとえば、二人とも長年のNHK大河ドラマのファンだ。 「どうしてNHK大河ドラマは、いや民放大型時... 続きをみる