ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

妻は強い精神力を持っている

2021.04.22 水曜日(4/21)午後3時、
病室内に案内され、妻の耳目の前で、医師2名、看護師3名と面談した。
足指の褥瘡、右脛の黒ずみを確認し、担当医の説明で


あと6週間治療すれば、足の細菌から撃退できます。骨に細菌が届いているかも検査しなければなりません。左足に金属(人工関節)が入っているので、検査には細心の注意が必要です。一本の動脈しか活躍していないので、いつまでとは一概に言えませんが、どこかでご家族の決断というものが求められます。


ベッドを起こして、皆の顔が見られるようにして、そのような話をしたので、妻の表情には翳りは見られない。
しばらくぶりに見る、夫の顔にも安心したようだ。
相変わらずはっきりとした物言いをする夫に、かえって信頼が湧いた。
「今は先生に任せて、退院はもっと先、どこかで足を切らないと体が持たない、その時は覚悟を決めてスパッと切断する、傷口が癒えたら今度こそ病院から出られる」
「あなたは簡単、いいです、それしかないのならそうします、先生そうします、よろしくお願いします」
気持ちが定まったら、妻は強い精神力を持っている。
退出のとき、看護師が「楽薬ゼリーが無くなりかけているので」それを買いに一階の店に行き、また9 Eに戻る。
個室ですべてそろっているので、この先も室内に入ることはできないが、声の配達だけは届けてやれる、それに納得して大学病院を後にした。