ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

お盆のころの思い出

2022.08.12 
子供の頃に、仏壇の前に並んだ廻り燈籠のあやかし明かりの、どちらかと云えば恐い青い炎のゆらめきに、怖気て眺めていたのを覚えている。
ナスやキュウリで作った動物たちを、お供えとともに葦舟に乗せて、集落を下った所にある小川に流した。
沢山載せて流すものだから、葦舟はすぐに沈没し、「あーあ」と歓声を上げていた。



その頃に、家族総出で、近所の若衆たちの応援も願って、藁屋根の葺き替えをしていると、白装束の季節の訪問者がやって来、その時の、情景をなぜともなく覚えている。
自分は屋根の上から、母親たちが喜んでもてなしているのを見下ろしていて、たぶんそんな時には気持ちを持て余して、所在無げに青い空でも見上げていたものだろうか。


十日の妻の月命日、昨年亡くなった妹の新盆、に合わせて、お盆の禱りグッズなど出して、気持ちを新たにしています。
自分の場合、これからの1年1年が勝負です。
残った余生のすべてを、小説創作に注ぎます。
ちなみに、プロフィールの「三歳の時、川に流されて、旅人に助けられた」は本当の事です。旅人ではなく、たまたま自転車で通りかかった、何処の誰とも知らない、近辺の人、だった、ようですが……。残り41皿