ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

外には黒滔々たる闇が広がっている

2021.05.12 恐れていたことが現実になった。
大学病院の4月分請求額、24日間の入院費のことである。
今日、爽健美茶を届けた折に、手渡された。
入院するときの誓約書に署名している。
個室料金18000円+消費税、であるのは承知している。
別途食事代他で、一日1000円少々かかる。
妻は介護度5で、どんな治療を受けても、医療費の自己負担額はない。
国税で賄われているので、負担してくれている国民の皆さんには感謝するしかない。
請求額507400円だった。
これで終わりなのではない。
5月1日~退院するまで、同等の日割りで請求される。
家に帰ってから、すぐに病院に電話した。
今日(5/11)までの部屋代は仕方がない、払うが、明日からは安い部屋に移してほしい、安い部屋が空いていないのなら、自宅療養させるので、今週中に退院させてほしい。
妻が「帰りたい、帰りたい」と言っていたのを、押し留めて入院させていたのが今さらに悔やまれた。
元々2週間の入院加療と言われて、その個室料金を納得していた。
病棟内に入れないので、看護詰め所の事務担当に、うるさく確かめることもできなかった。
しかし、医師には個室料負担について、便宜を図ってくれるようにと話してある。
看護詰め所に電話し、皮膚科の責任医師に代わり、婦長につなげられて、結局13日木曜日の指定時間に訪問して、今後のことを話し合うことになった。
こちらの一番の主張は、蜂窩織炎の治療をして、たとえそこが治癒したとしても、三本の動脈のうち二本は壊死している、いずれその足は切り落とされなければならない、それがわかっているのに長々と入院治療するのは理に合わない、ということ。
その場で、「木曜日から8000円の部屋が空くので、そちらに移動してもらいます」の声を引き出すことに成功した。
それを4月7日に入院して2週間後の、遅くとも、病室に入って皆で話し合った4月の終わりには、実行してもらいたかった。
まあ、しかし、声を大きく張り上げたおかげで、一日10000円も下げることができた。


芥川龍之介の『羅生門』
「お前の着ぐるみ剥いでも恨むまいぞ。そうしなければ、わしも明日には飢え死にする身なのだ」
外には、黒滔々たる闇が広がっている。下人の行方は誰も知らない。


写真は、人の営為など知る由もない、草花