ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

夢の中へ、行ってみたいと思いませんか

2021.04.12 夢を見た。
陽水の、♪夢の中へ 夢の中へ 行ってみたいと思いませんか ははん
行ってみたいと思うまでもなく、向こうからやって来た。
やって来たのは、男と女。
男は同年代のようだから、たぶん自分で、若返りようがない。
女は誰だろう、妻なのか、そばに居ないから若返ることができる。
夕刻のこと、娘に電話したいがどこに名前があるかわからない、こちらから連絡して電話をかけさせるようにして、と言ってきた。
いったん受話器を置くと、こちらからかけてもすぐには出られない。
「ケイタイを離さずに持っていて。すぐかけさせるから」
しばくして、娘に電話すると、
「ママが、宝石のことを話した。お兄ぃと二人で分けたらいい、と。そんなことは今話さなくてもいいと言っても聞かないから、じゃあ貰うと答えた。寝室のタンスの中の宝石箱に入っているのが良いやつだからと言っていたが、わたしは一階の本棚の抽斗に入っている、観音さまのネックレスと真珠の指輪、この二つだけでいい」
以前の生還の折に、遺言のつもりか子供たちにそんな話をしていたので、品物も置き場所もよく覚えている。
男の自分には、猫に小判であったジュエリー類も、女どもには大切な装飾品になる。
「ママの声はよく聞き取れない。たぶんそんなことを話していた。やはり、足を切らなければならないの?」
夢の中の若い女は妻だったのだろう。
ゆっくりではあったが、両足で地面を噛みしめて歩いていた。


写真は急遽A4用紙を敷いて撮った、観音の首飾り……、