ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

神奈川県のブログ記事

神奈川県(ムラゴンブログ全体)
  • わたしはわたし、あんたはあんた

    2021.05.03 一日に何回も電話をかけて来ていたのが、この数日間、まったくケイタイが鳴らない。 大した話でもないので、その都度付き合うのにやれやれとならなくもないが、入院疲れでその気力もなくなっているのかと、かえって心配になる。 蜂窩織炎、血流不足の原因で起こる、ベッド生活者には欠かせない寝... 続きをみる

  • ママチャリで病院まで行きます

    2021.04.30 前回、4/23の担当医との面会で、妻を交えて話したのは、あと6週間ほど足の塗り薬、点滴治療を施して、5月いっぱいで退院の予定だった。 それが一昨日の妻の話で「退院が早まるかも」になった。 その時に、「先生が今月で移動されるみたい、ご挨拶して」の情報もあり、今日は4月の平日の最... 続きをみる

  • 自分の余生を視つめるしかない

    2021.04.29 自分は母親の32歳のときの子で、母が102歳で亡くなったとき70歳になっていた。 郷里に帰り、病院で看取ったのだが、深夜に電話で起こされて、いよいよと覚悟を決めて病院に向かった。 兄弟姉妹6人の下から二番目、やっと生まれたただ一人の男の子だった。 老齢の姉たちに連絡するまでも... 続きをみる

  • 軽チャーに負けぬ、震度5の面白さ

    2021.04.28 「昨今のシンデレラは靴を落とさない」 ブログ村のマイページを開くと、コミックシーモアの宣伝がトップに載っており、アニメ画とともにそのタイトル↑ が目に飛び込んできた。 なにげに惹かれて追っていくと、 《舞踏会の最中、婚約破棄を言い渡されたフレデリカ・キャストレイ子爵令嬢。颯爽... 続きをみる

  • 「蜜柑」

    2021.04.27 両手いっぱいのやることが有りすぎて、夢の中まで侵入して来られて、混乱している。 妻の居ない環境になってみれば、久しぶりに自省の時間が生まれて、「こうしてはいられない」のに、「ではどうしたらいいのか」が見つからないで、うだうだ茹でられたタコ状態になっている。 そんなところに妻か... 続きをみる

  • 善悪彼此を吞み込んだようなもの

    2021.04.25 昭和20年(1945)は酉年で、何でも突いていく、と子供時分から言われた。 鶏の地面をせわしなく突く様を見て、そのように形容したものだろう。 他の者はいざしらず、まことに自分はその性格をよく体現している。 熱しやすく冷めやすい、飽きっぽくて次に立ち向かう、一か所に立ち止まるの... 続きをみる

  • わしらに死ねとおっしゃるんでござんすかい!

    2021.04.24 なんとなく空虚感に苛まれているようで、本日「都之隠士の介護日誌」は開店休業します。 対象物がない、梯子を外されたみたいで、こうやってみると妻という存在は大きなものであったと気づかされる。 しかし、根が楽観的な性格であるので、すぐにこの程度の憂鬱は霧消して行きます。 根気が続か... 続きをみる

  • 自分にも、他人にも、応援したい

    2021.04.23 当初は、2週間の点滴入院のつもりであった。 それが、しばらく妻は家に帰って来ないとなると、とたんに時間を持て余す。 植えたばかりの、プランターのよちよち野菜の水やり、花壇や鉢植えの今を盛りの草花を愛でて時間つぶしをするのにも、限度がある。 構想段階の歴史小説も、独自の視点・思... 続きをみる

  • 妻は強い精神力を持っている

    2021.04.22 水曜日(4/21)午後3時、 病室内に案内され、妻の耳目の前で、医師2名、看護師3名と面談した。 足指の褥瘡、右脛の黒ずみを確認し、担当医の説明で あと6週間治療すれば、足の細菌から撃退できます。骨に細菌が届いているかも検査しなければなりません。左足に金属(人工関節)が入って... 続きをみる

  • 歳月は無残なり

    2021.04.20 過去に幾度が入院した時とは異なる今回の隔離生活に、妻の糸が切れた。 多くの機器につながれ、手足の拘束状態であった、ICU室の緊急入院のときでさえ、そばで顔を見ながら声をかけることができた。 声掛けに応答はないが、目は物を言う、のは分かる。 それがこの度のコロナのせいで、そのよ... 続きをみる

  • 奇怪な老人に成りきって

    2021.04.19 病院に、来るべき退院の時のための携帯酸素ボンベを持って行き、駅から歩いて帰るときに、「タネ屋」の店先に野菜の苗木が出ていたのを見つけて、各種求めた。 行きはヨイヨイ、帰りはコワイ、の逆でちょうど手が空いていた。 トマト桃太郎、ナス、キュウリ、ミニトマトの4種類を各二本ずつ。 ... 続きをみる

  • ミイラのような足になっていく

    ↑最近この方の記事を楽しく読ませてもらっている。このお方は達人。著名な人との交流がある方なのかも知れない。 2021.04.17 妻が電話をかけてきて、 「転ばないようにして下さいね、と先生に言われたわ」 「そりゃあ、転んだら骨が折れる。もう脆くなっている年齢だよ」 「そうではなくて、転んだらお終... 続きをみる

  • アニハカランヤ、こんな言葉は

    一度投稿した後に ↑この記事を見て感動したのでリブログ、再投稿します。 2021.04.16 夜半に一度目覚め、一旦、起き上がったが何する気にもならず、すぐに布団に戻った。 次に目覚めたら、カーテン越しに外が明るくなっている。 いつも暗いうちから起きているので、夜明けとともに目覚めるのは珍しいこと... 続きをみる

  • 悲しみのない人生など、あるはずもない

    2021.04.15 MURAGONを知って、多くの方が投稿しているブログを読むことが楽しみの一つになっています。その中から自分の知らない世界を発見して、ああ、人はこうやって生きているのだなと、日本人一億人、世界数十億人のそれぞれの悩みや楽しみや悲しみがあるなと感嘆しています。 その中から、時々刻... 続きをみる

  • 病院内のガラスに映っていた、自分の顔

    2021.04.14 妻の、普段使っていた化粧品や看護用品を抱えて、バス・電車・バスに揺られて病院に行った。 意外とかさばる荷物になったので、JR駅まで徒歩で行くのも大変で、バスに乗った。 タクシーを呼んで乗るほどの気持ちはない。 横浜線が遅れていて、大学病院行のバスにやっと間に合った。 担当医師... 続きをみる

  • どちらからともなく笑いを誘う

    2021.04.13 老者が、家の中から消えた者を追い求めると、どうしても昔の若かりし頃の追憶になってしまう。 そしてそれは、大抵、いい気なものだ。 傍から見られたものではない。 あれは時の流れが、面の皮を厚くして、羞恥心を覆ってくれるからだろう。 旅行に出かけて、姿が見えなくなったのではない。 ... 続きをみる

  • 夢の中へ、行ってみたいと思いませんか

    2021.04.12 夢を見た。 陽水の、♪夢の中へ 夢の中へ 行ってみたいと思いませんか ははん 行ってみたいと思うまでもなく、向こうからやって来た。 やって来たのは、男と女。 男は同年代のようだから、たぶん自分で、若返りようがない。 女は誰だろう、妻なのか、そばに居ないから若返ることができる。... 続きをみる

  • 幕が下りたわけではない

    2021.04.11 妻の姿が家から消えて、介護にかかずる時間が無くなったというのに、それが何か不足のように感じられる。 介護する者の、喜怒哀楽を取り上げられた、そんな気持がどこかにあるのだろう。 キャンバスに描いていた景色が、暗転して、一瞬間目眩ましにあったようなものだ。 しかし、幕が下りたわけ... 続きをみる

  • この日は数行読んだだけで、眠くなった。

    2021.04.10 昨日は病棟担当医師から、今後の治療方針の説明を受けた。 さすがに病棟内に入る許可が下りて、面談室での対面だった。 妻が電話口で叫んだように、結論から言うと、足を落とす、ことになるかもしれない。 三本の動脈のうち二本が詰まっていて、このままだと壊死になる。 下肢動脈超音波検査報... 続きをみる

  • そして、妻が居なくなった!

    2021.04.08 朝一番に、点滴を外しに看護士がやって来て、着替えを済ませて介護タクシーを呼び、予約なし診療で大学病院に向かった。 在宅クリニックの医師の紹介状が効いたのか、受付を済ませて3階の皮膚科に行くと、すでにボードに番号が掲示されている。 そこから、血液検査、エコー検査に回されて、再度... 続きをみる

  • 自然体の、頑強な老婆の貌

    2021.04.04 妻を見ていて、感じることがある。 肉体の老化は仕方がない。 これは、生きとし生ける物、だれにも平等にやって来る。 誰もそれから逃れることはできない。 善行を積んだので、あなたは老化を免除します、という大岡裁きはない。 悪行を重ねたので、あなたは老化を早めます、という閻魔裁きも... 続きをみる

  • ひばり放送に紹介される

    2021.04.03 相も変わらぬ24時間が過ぎて、思い起こせば起床から就寝まで、我が事のように分かる。 普通なら、同じ家に住んでいる夫婦と云えども、その一挙手一投足が相方に丸見えと云うことはない。 部屋を離れれば、もう相方の動きは見えないのだから、視界から消えて、それぞれの持ち時間を気ままに過ご... 続きをみる

  • フールフーラーフーリッシュ!

    2021.04.01 ここ1週間の天候は、並はずれて陽気が勝っている。 見渡して、こんなに花の咲くものかと、頭が浮かれてしまった。 それまでにも、妻を煙に巻いて楽しむ、悪趣味がなかったわけではない。 たとえば、二人とも長年のNHK大河ドラマのファンだ。 「どうしてNHK大河ドラマは、いや民放大型時... 続きをみる

  • 1パーセントほどの夫の怒声

    2021.03.31 妻の就寝の「お休み」の響きは、オブラートで包んでいる粉薬の擦過音のように、いつも揺れ動いて聞こえる。 「おやすみ」ではなくて「おやひみぃ~」と息絶えそうな声である。 鼻腔から酸素カニューレを装着しているので、その流入のせいでか、咽喉から押し出されようとする声と衝突して、かすれ... 続きをみる

  • 大笑いした!

    2021.03.30 大笑いした。 夕食の時に、妻がラッキョウを床に落とした。 梅干しやラッキョウは、食後の口直しに一粒食べる習慣になっている。 フォークで突き刺せば何ということもないのに、腹に乗せて口許に運ぼうとして、口に収まる瞬間にポロリと落とした。 膝の上に止まればいつものことだから、問題は... 続きをみる

  • 怯んでばかりでは居られない

    2021.03.27 皮膚科の通院結果は、やはり服薬と塗布薬のみ、次回にエコー検査をします、とのお達し。 こちらの願いは全面的に敗訴。 妻の体の中は、今や、ボロボロのスカスカ状態、どんな薬も効かないのだろう。 しかし、そういった事に怯んでばかりでは居られません。 ついに小説の構想が固まりました。 ... 続きをみる

  • 江ノ島の薬師如来に頼った方がいい

    2021.03.26 以前にも感じたことがある。 写真、イラスト、なとど一緒に並ぶと、文章も感化されて、よき見栄えになるようだ。 大仏様の霊験あらたか、と自画自賛しました。 文章はたえず気になっていて、それが長年の性癖でもあります。 ここに書くブログも、送信となるまでにかなり時間がかかります。 何... 続きをみる

  • アニマルセラピー、という言葉がある

    2021.02.27 突然に家族がふたつ、増えた。 二年ほど前、母親の見舞いに帰って来たときに連れて来ていたが、この度は妻には初めての顔合わせになる。 犬用のリュックがあるらしく、申告すれば新幹線にも無料だったか、500円か1000円で乗り込めることができると以前聞いた覚えがある。 ジュエ、と呼ん... 続きをみる

  • オレ、帰る。家に帰る

    2021.02.26 昨日、午後の入浴カーが帰って間もなくの事だった。 妻に湯冷ましの爽健美茶を飲まして、さあしばらくひと眠りさせようとしていると、 突然、音信不通であった息子から電話がかかって来て、 「オレ、帰る。家に帰る」になった。 「犬も連れて帰る」 それでしばらく家に滞在するのだとわかる。... 続きをみる

  • 新しいことに挑戦してみよう

    2021.02.24  少し、新しいことに挑戦してみようと考え、スマホを購入することにした。 普段、電話とメールのみの利用だから、いわゆるガラケーで十分の世界。 そこにスマホというものを加える。 テレビなどで視る便利なものの大部分は、スマホから発出している。 それなくても生活できるが、それあると別... 続きをみる

  • 身も心も虫干しの一日

    2021.02.22 あまりの好天に、庭の鉢植えの土返し、水槽の金魚の苔取り・フィルター交換に気を散じることにした。 介護タクシーに乗る時に、玄関先に設置している彩りの小花がどれもみすぼらしくなっており、妻にそれを指摘されて、パンジーなど新たに6株購入した。 植木や草花は妻の趣味だったが、年経るに... 続きをみる

  • 隣人のためではなく自分のためにも

    2021.02.21 この家に住んで24年、となりは長い間ずっと畑地で、川沿いの遊歩道を歩く老若男女、犬の散歩・ジョギング・サイクリング、と人の営みの姿を眺めることができた。 しかし、とうとうその贅沢は失われて、昨年の夏に宅地に造成され、見る間に新築の家がいくつも建った。 庭からも、二階の窓からも... 続きをみる

  • 前垂れは我が家の食事マナー

    2021.02.18 夕食を作っていると、何か声を出している。 ワカメスープと鶏肉を細かく切ってフライパンで焼いている忙しい時に、言う事ではないのに、そこまで頭がまわらない。 「ああ、あれ下さい!」 言葉には出て来ないが、テーブルに向かって待っているので、前垂れを要求しているのだとわかる。 最近は... 続きをみる

  • 酒は百薬の長、雨の中、傘を差して弁当を買いに

    2021.02.16 足の甲の張れと赤味は見た目、変化は感じられない。 朝の起床時に「痛い」と訴えていたが、日中ほとんど気にならない痛みなのか、そのことが話題になることはなくなった。 昼の用意をしなければならないが、麺類を切らしていて口に入れる適当な食物がない。 「焼き飯でも作ろうか」と問うと「そ... 続きをみる

  • 今日はバレンタインデー、らしい。

    2021.02.14 寝入りばなに、何か大きな揺れを感じて飛び起きた。 時刻を見ると23時08分、しばらく止む様子がなく揺れが続いた。 これは大きな地震だとわかり、急いで階下の妻の元に走った。 薄暗がりの中で、静かに寝ている。 あの揺れに気づかなかったのかと顔を覗き込むと、光るものが見えた。 「大... 続きをみる

  • なぜ? は赤ん坊への知恵がえり

    2021.02.13 病院で予約時間が過ぎても、診察の順番の受付番号がなかなか表示されないのに、我慢が切れそうになることがある。 一定の間隔で番号が切り替わっていると、呼ばれる時間が近づいていると安心できますが、表示された番号がまったく動かなくなって久しいと、段々苛々してくる。 前の人に時間がかか... 続きをみる

  • 牡蠣フライを手づかみで喰う

    2021.02.05 診察、超音波、診察、血液採取など続いて、昼時になったので病院のレストランで食事をして帰ることになった。 御膳箸を使えなくなって久しいので、フォークに替えてもらったが、家にあるのと違ってゴム輪が付いていないのでこれもうまく使えない。 フォークの腹に乗せようとしてうまくできず、突... 続きをみる