ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

新しいことに挑戦してみよう

2021.02.24  少し、新しいことに挑戦してみようと考え、スマホを購入することにした。
普段、電話とメールのみの利用だから、いわゆるガラケーで十分の世界。
そこにスマホというものを加える。
テレビなどで視る便利なものの大部分は、スマホから発出している。
それなくても生活できるが、それあると別の世界に連れて行ってくれそうだ。
水曜日は自由時間が多く取れるので、先週ネット予約して、今日、スマホ教室です。
自分のWEBサイトは、小さなスマホ画面でどのように見られているのか、確かめたいと前々から思っていた。
パソコンで作っているので、スマホ用の縮尺画面に作成しなければならないのかもしれない、全部収まっているのか、途切れたり、はみ出したりしていないか、今頃になって気になるとはやや呆れるか。
夫は元気だから、何にでも挑戦できる。
或る意味、好き勝手にしてきた人生だった。
それでも心のどこかで、自分だけが動き回ることを、いつも妻に忸怩たる、済まないという思いがあった。
そのくせ、どこに出かけても、気のきいた旅土産の一つもあったものではない。
そういった即物で、家族思いを表現できる、まめな男ではなかった。
「何も土産がないんじゃ、どこに出かけたのかわからない」
と云いながら、決してそのことを詰ったものではない。
動く、ということでは二人は同等ではないことを結婚したときから理解していた。
それでも世間の優しい男は、妻を、街ぶらとか観光とかに連れて行ってやるものだ。
ゆっくりゆっくり追いつくのを待ちながら、歩調を合わせて行く。
頑張って早く歩こうとするのを、
「ゆっくりでいい。置いて行かない。そこまで薄情ではないよ」
何かの拍子に、「あなたは薄情だから」と揶揄ったことがある、妻の言を横取りして言ってやる。
買い物など毎回車で一緒に行き、家事の片づけも夫の役目だった。
そういった最低限の夫婦愛を見せて、余った残りの時間は自分のために費やす。
それが数十年来の、我が家のスタイル。
そこにスマホが加わる。
どんな世界が広がるのやら、楽しみではある。


都之隠士の世界