ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

ジュエ、あんたに言葉が話せたらなあ!

2021.03.08 介護ベッドの電動で上半身を起し、それを正面に向かせてベッドの縁に座らせて、そこで腋の下に両腕を入れ、「エイヤ」と抱え上げて車いすに乗せる。
その逆もまた然り。
この動作を朝昼夕晩と数えて一日8回、繰り返す。
考えればラブラブであったであろう、新婚時代も、こんなにも度々密着したことはない。
数秒間の抱擁であるが、一方は体重をすべて預け、一方は体重を落下させまいと足腰に力を込める。
たまたま居合わせたジュエが、それを不思議そうに見つめて、時に「ワン」と吠える。
「お前も手伝うか」
「ジュエちゃん、羨ましいの」
そんな軽口の一つ二つも飛び交って、おかしくない、空気がある。
この景色は以前にはなかったもので、一人黙々とこなしていた頃に比べて、
たしかに身も心も軽くなっているように思える。
家族が増えるということは、素晴らしいことだ。
WEBサイト「鳥に化る」も、アイテムを新たに増やしてリニューアルした。
何事にも積極性が肝腎、停滞しては前に進めない。


このmuragonブログ、読んでもらうための方策として、今回、短文、改行、を試みてみたが、たしかに読みやすくなったような気がするものの、かえって変な文調になったので、すぐに元に戻した。
自分の書いた文章はすらすら読めるが、それを目にする他人がすらすら読めるとはかぎらない。
読者を獲得するとは、気配り、思いやりがないと叶わないことがよくわかった。
こんな基本的なことすら、忘れていた。
「なあ、ジュエ。あんたに言葉が話せたらなあ!」とひとりごちたものです。


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