ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

幻覚症状が稀に起こる?

2021.03.03 気持ちの問題であるのか、昼間届けられた痛み止めの薬を確認すると、足の痛みも薄れたようだ。
夕食後の服用になっているので、他の薬と一緒にアセトアミノフェン2錠飲む。
「痛みはどうなの?」
「あまりひどくない」と、穏やかな表情である。
夜は仰臥している以外に何もないので、意識が足先に集中して、よけいにズキズキ感が増すのだろう。
腫れも赤味も退いているわけではない。
在宅クリニックの医師も訪問看護士も、写真にとって経過観察をするしかないようだ。
大学病院の血液検査では、数値は良くなっている、との説明だった。
ちなみに、妻は一人では横向きになれない。
人間は意識しなくても夜の間に何回も寝返りをしている。
そうやって血流の滞りを防げるようになっている。
ベッド上でほとんど動かないために、いわゆる床ずれが発生する。
そうならないために、昼間は数時間おきに起して、車いすに乗せる。
ベッドも介護用のエアーベッドにしている。
これは前回の蜂窩織炎で片足切断の折に、医師から忠告されたこと。
介護施設などに入院すると、この寝返り行為を数時間おきにしてくれるのかもしれないが、自宅介護で同居人にそれを強いるのはムリだ。
10時には就寝させて、朝7時に起こす。
9時間、痰を出すために胸に抱えたティッシュBOXから紙を取り出して吐き出す、その動作以外の全身動はない。
眠れなくても、じっとその体勢のまま居ることになる。
一月二月なら身体も我慢できるが、自宅介護となって1年半、目には見えぬが妻の身体は悲鳴を上げているのだろう。
それが現在、足に来ている。
痛みは、その前段の兆候に過ぎない、のかもしれない。
あるいは喪失した片足の痛みが、残った片足に乗り移っている?
そのような幻覚症状が稀に起こることがあると、聞いた覚えがある。
いずれにしても、腫れも赤味も退いていないのは、目に見える現実だ。
何かの原因があっての、症状であるのに違いはない。
新しい家族ジュエは、この家が自分たちの住まいと理解したのか、長男から離れて一階に捨て置かれても、一声も吠えずに妻の足元に蹲っている。


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