ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

芥川賞に決定しました‼

2021.01.21 昨日夕方のニュース番組で、芥川賞・直木賞の発表があった。
昔は、……歳を取ったのですべてが昔話になってしまって、反省するところです。
村上龍の「かぎりなく透明に近いブルー」あたりがほぼ同時進行の関心事であったので、仲間たちと騒いだものですが、現在はまったく作家の名前を知らないし、関心も薄れている。
「かぎりなく透明に近いブルー」に関して言えば、あれはタイトルが秀逸だった。
中身もたしか、今は懐かしい基地あたりの娼婦との会話で「イカセテクレ」が評判になったような気がする。
選考委員の諸先生たちの頭の中には「イカセテクレ」などの文言は考えても文章にすることはできなかっただろうから、それで必殺トリックに引っかかってつい一票を投じてしまったのだろう。
のちに、何かの記事で、あれの原題は別のタイトルで、「群像」新人賞に受賞したときに編集部の方で改変した題名らしい。
小説を読まなくても「かぎりなく透明に近いブルー」とは何か、と想わせるだけでも大成功だったにちがいない。
その後に村上龍は大成したようなので、慶賀なことです。
何人かの作家の顔を浮かべて、彼はあの強面で得をしたような気がする。


もう未来の割り込む余地のない年齢になってしまったが、もしモダンフールのからかい電話でもかかってきて「芥川賞に決定しました」と言われても、妻はその意味が分からなくなっている。


写真は庭の八朔が今年は大きな実をつけているので、つい今回もおまけの写真を。