ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

「行ってらっしゃい」の声で

2021.03.24 今日水曜日は週に一度の、妻の面倒見から解放される、自由行動の日。
長男が同居して、晩御飯を作る心配もなくなった。
暗くなるまで遊んでいい、になったわけですが帰宅ラッシュに巻き込まれてはならない。
近場の江ノ島、鎌倉大仏など見に、JR・小田急・江ノ電と乗り継いで行きます。
湘南海岸は昔、自家用車でよく走ったものです。
夏のシーズンには、ほとんど車は渋滞して進みません。
それが楽しくて、屋根を開けて、トンビに手を振って挨拶したものです。
当時の写真もどこかにありますが、写真は現在の気分を撮るものだから、今の自分の目に映る写真を撮って来ます。
いつも一人で行くので、どんな写真にも自分は写っていないのに驚きです。
観光地などで、人に頼んで写真を撮る、そんな積極性はこっ恥ずかしくってできない性分なのです。
おじじが一人で箱根地獄谷をバックに写真を撮ってもらったりしていると、なんだかこの世のなごりを写しているみたいで、このおじじさんはもしかしてこの後消えてしまうのではなかろうかと心配されても困ります。
現在は自撮りなどという方法もあるようですが、スマホの使い方もまだままならない。
どこにいくにも帽子を被り、ショルダーバッグを肩にかけて、腰にはデジカメをぶら下げて、それなりにシャキッとして歩いて行きます。
今日も朝早く目覚めていますが、心地よく6時間は眠れたので、大丈夫でしょう。
眠りは、そこまでの滞留物を一掃してくれる。
清々しい朝、とまではいきませんが、とりあえずはアサ~っの谷岡ヤスジの絵のように大口を開けれる、関東地方は全面的な快晴のようです。
以前はこのようにして、一人ではしゃぐ姿を、妻に済まないといつも後ろめたさに感じていたが、今はなくなった。
感覚が鈍くなっている、のは老爺の摂理。
いつまでも鋭敏な神経のままでは、妻にも辛く当たる。
妻はまだ寝ているようだが、このあと起して食事を済ませ、リハの療養士にバトンタッチすると、
「行ってらっしゃい」の声で送り出してくれるだろう。


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