ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

よく笑うようになった

2021.01.02 箸が転んでもおかしい年頃、という言葉がある。あれは本当の事だ。
少女の思春期ではないが、老年期にもその現象は起こるものらしい。
年末に、「煮しめの作り方」をネットから拾って、作った煮しめを妻に見せた時のことだ。
「よくできている」とも「一口食べてみたい」とも言わないが、目を輝かせている。
声には出さないが、顔をくしゃくしゃにして、鬼の首でも取ったようにして喜んでいる。
あれは夫に対しての、謝意と称賛の表れなのだということが、晦日、元旦、二日と毎度食卓に並ぶ煮しめをパクパク食べているのでよくわかる。
あれを食べたい、これを食べたい、と言うことはあるが、出されたものに不満をもらしたことは一度もない。
年賀状のお返しを郵便ポストに投函しに出かけて、川に鷺の姿を見つけ、急いでカメラを取りに帰って写真に撮った。
鷺には庭の金魚を食べられた苦い思い出があるが、鷺の話をしても、そこまでの話題にはならない。
テレビで箱根駅伝を見ていて、まだ子供たちが小さかった頃に横浜まで見学に行った、それを覚えていて、その話題でいっとき盛り上がる。