ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

白鳥はかなしからずや

2022.07.09
白鳥はかなしからずや空の青海の青にもそまず漂う 牧水


安倍元総理の凶弾に斃れた事件に、ふとそんな歌を想った。


41歳という犯人にも、余人のわからぬ悲憤があったのだろう。
それが安倍元総理に向かったのは、彼が代表する政治に置き去りにされた者の、一撃の思いが、ねじ曲がった方向に噴出してしまったからだろう。


例によって、犯人のあら捜し、
母子を破滅に導いた宗教団体に安倍が関わり、恨みがあった、というのもたぶん事実なのだろう。
安倍はどのように見ても、清廉潔白ではなかった。
濁を飲み込んで突き進むのが、政治だと思っていた。
力で不満勢力・敵対勢力を押さえつけて来た。


ただ、皮肉なことに安倍は暗殺されたことで、日本憲政史上、最大の政治家になった。
モリカケ問題など、取るに足らぬ、力を持った政治家の小さな汚点にすぎぬ、
三世が手本とする祖父を越えてしまった。
安倍晋三の名前は歴史に永遠に残る。


牧水と同年代の石川啄木に『時代閉塞の現状』がある。


ソーメンと梅干、少年野球

2022.05.29 
今年初めて昼にソーメンを食べた。
タマゴ焼きとキュウリ・トマトの彩り。
立派に、白、黄、緑、赤、になっているのに悦に入って、
二本目の途中から、梅干を肴に飲んで、よい機嫌になっている。
塩をなめなめちびる、酒飲みの爺さんの態。


昔、梅干は一家に一壺の保存食。
漬けたしその葉をたけのこの皮に包んで吸って、あまりの酸っぱさに飛び上がって、それでも慣れて、よくすすったものだ


昨日、スーパーに行く途中に、小学校の校庭で少年野球の練習をしていた。
自分も、30年も前に息子の親コーチに引っ張り出されて、毎日汗を流していた。
軽ワゴン車の座席を倒して、子供たちをいっぱい乗せて、たぶん詰め込めるだけ7、8名は乗せて試合会場に行った。
今の親コーチにはとても許されない暴挙だろうと思うと、時代を感じさせるものがある。



自分の親は明治の終わりの産まれ、それで幕末の、
「高杉晋作が前の街道を通って京に向かって行った。伊東の殿さまはどうすることもできず道を開けて眺めるだけだった」と語ることができた。
曾祖父は、たぶん、明治維新を迎えて、そこから3,40年前の江戸末期などを語ることができた。
当時、江戸時代はそれほど昔の事ではないのだ。


自分の好きな石川啄木の詩に、たしかこんな文が有ったように記憶する。
「見よ、大空に高く飛行機の飛べるを!」
これを覚えているのは、叶わぬ空の青さに、自分は憧れたからだろう。
少年野球の、子供たちが打ち上げた白球もまた、
「見よ、大空に高く……」
親たちには思えることだろう。

美味し酒飲む

2022.05.26 
酒量が進んでいる。
昼も、350mlのKIRINのどごし《生》がいつの間にか2本に、
夜は、松竹梅「天」を2合徳利の首近くであったものが、なんとなく不足に思えて、のどごし《生》を1本追加するようになった。
たいした酒量ではないのだが、着実に増えている。
今は次の作品に取りかかるまでの、ぐうたら期間であるので、抑える者の居ない、気儘にさせていくしか、方図がないというもの。


そんな中で、食料仕入れのスーパーから帰り、門扉を開けたとたんに、大きな赤いかたまりが視界の内に入った来た。
去年も今頃に書いた覚えがある。

それを潮に、庭の花どもを写真に撮った。

トマトもさやえんどうも、種から植えて、大きく育った。

八朔も沢山花をつけていた、鳥が来て啄まれたが、まだ沢山の実を付けている。
ただそれをそのまま書いては自分らしくない。
それで、パクリを一つ。


年たけてまた越ゆべしと思いきや(西行)花実有りけり吾れが小庭に(下句替え歌)