ひげ爺の今は〇〇となりにけり。

初期の老々介護日誌から、思い出の記、艶笑小咄、別サイトで歴史情話など掲載

老いたりとはいえ妻にも女のプライド

2021.02.02 昨日、月曜日は午前中に入浴カーがやって来る日。
運転手と看護士とヘルパーの3名でやって来る。
身体を伸ばしてすっぽりはまる、大きなプラスティック製の浴槽が床に置かれ、外水道に繋がれたホースの水が車内のどこかを通過して来るほぼ瞬時に沸いた湯水が溜められて、そこまでに体調を測り、浴槽に設置されたハンモックのような浴編の上に二人がかりで運ばれて、湯に浸かる。
これはたぶん、週に二回の極楽タイム、その間中、女どもはいろんな声掛けをしている。
巴御前のような立派な体躯のヘルパーは高い声でよく笑っており、それにつられて他の二名と妻も同じように歓声をあげている。
二階に居ても、実によく聞こえる楽しげな声だ。
「終わりました」という声で下に下りて行くと、看護士が
「足の指の裏に、小さな黒いうっ血のようなものができています。褥瘡になりかかっているのかもしれないので、明日の看護士さんによく見てもらってください」
足の甲が腫れているのはここ数週間、看護士も念入りに経過観察して、クリニックの医師から抗生物質も処方してもらっていたが、足の指の裏までは入浴して初めて気づく観察だ。
昼飯時も夕食時も、それを気にして、
「先生はいつ来るの?」
足の指の裏に何か異変が起きているというのは理解していて、いつまでも問うてくる。
「先生が来るのは来週の月曜日。明日は看護士が来るから診てもらって写真にとってクリニックに診断を仰ぐだろう」
以前に膝から下を切り取るまでに悪化した足首と甲の二か所の大きな黒痣のような褥瘡には苦い経験があるから、妻の心配もわかる。
その頃はまだ、近くの皮膚科に連れて行く、車の助手席に乗る元気があった。
夜、寝る時に、水分補給させたあとに酸素カニューレの管が鼻から一つ外れたままになっていたのに気づき、いつごろから外れていたのだろうと直しながら、二人で大笑いした。


入浴シーンを撮ってUPしようかと考えたが、ヘルパーたち三名のプライバシーもあるし、老いたりとはいえ妻にも女のプライドがある。
最近はネット社会によく侵入して愉しんでいるのだが、気になることがあって、寝つきが悪く、また早く目覚めもしたので、暗い内からパソコンに向かっています。